グローバル・マーケティング研究会 Global Marketing Research Group
Insight Record
#203

美容業界のグローバル・マーケティング:ブランドの本質をどう翻訳するか

命尾 泰造 株式会社コーセー 執行役員 DECORTÉ事業部 事業部長 渡邊 恵美 株式会社資生堂 SHISEIDOグローバルブランドユニット 商品開発部長 弓気田みずほ 株式会社ユジェット 代表取締役(美容コーディネーター)
Date
2026.10.02
Venue
東京ビッグサイト Beyond Beauty Tokyo 2026会場内

2026年10月2日(金),東京ビッグサイトで開催されたBeyond Beauty Tokyo 2026において,第203回グローバル・マーケティング研究会を開催しました。
今回のテーマは,「ブランドの本質をどう翻訳するか」です。

日本で培われてきたブランドの哲学や美意識,世界観は,海外市場でも同じ意味で伝わるのか。
ブランドの「変えてはいけないもの」と「市場に合わせて変えるべきもの」を,どのように見極めるのか。
資生堂とコーセーの実務家による報告をもとに,対面接客,EC,セミセルフなど異なる顧客接点も視野に入れながら,日本発ブランドのグローバル展開について議論しました。

当日は満席となり,多くの皆様にご参加いただきました。ご登壇・ご協力いただいた皆様,そしてご参加いただいた皆様に,改めて御礼申し上げます。

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報告者

渡邊 恵美 氏
株式会社資生堂
SHISEIDOグローバルブランドユニット
商品開発部 商品開発部長

命尾 泰造 氏
株式会社コーセー
執行役員 DECORTÉ事業部 事業部長

ファシリテーター
弓気田 みずほ 氏
株式会社ユジェット 代表取締役

コメンテーター
唐沢 龍也 先生
関東学院大学 経営学部 教授・学長補佐
グローバル・マーケティング研究会 副代表

座長
古川 裕康
明治大学 経営学部 教授
グローバル・マーケティング研究会 代表

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今回の議論
今回のセッションでは,「グローバル化するほど同じものを届けるべきか,それとも市場に応じて変えるべきか」という単純な二者択一ではなく,
何を守るのか。何を変えるのか。そして,どうすればブランドの意味が相手に届くのか。
という視点から議論を深めました。

市場ごとに表現や顧客接点を変えることと,ブランドの一貫性を保つことは必ずしも矛盾しません。
むしろ,守るべきものを明確にするからこそ,文化や顧客接点に応じて,その届け方を変える余地が生まれます。
今回の議論を通じて,「ブランドの本質を守るとは,やり方を変えないことなのか」という問いを,改めて考える機会となりました。
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今回の例会を契機に,グローバル・マーケティングの既存研究と接続しながら,今回の問いをさらに発展させた論考を残しておきました。
「 ブランドの本質を守るとは,やり方を変えないことなのか:資生堂とコーセーの議論から考える「ブランド翻訳距離」
https://note.com/aagm/n/nf2ac479ec1e2

本記事は,報告や議論から得た「切り口」を出発点とし,各社の公開情報および既存の学術研究をもとに,著者自身の責任で再構成したものです。
報告資料に含まれるconfidentialな情報や非公開情報は使用していません。

記事では,企業が意図するブランドの核の意味と,現地の受け手の中に形成された意味との隔たりを「ブランド翻訳距離(Brand Translation Distance)」として捉え,ブランドの本質を守りながら異なる文化へ価値を届けるための考え方を整理しています。

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報告者プロフィール

渡邊 恵美 氏
世界90の国と地域で展開するグローバルプレステージブランドSHISEIDOのグローバル商品開発責任者として,商品戦略から開発推進までを統括。
アルティミューン,オイデルミン,フューチャーソリューションLXなど,最先端サイエンスと日本発の美意識を融合し,新たな美容文化を世界に向けて提案。

命尾 泰造 氏
株式会社コーセーで30年以上のキャリアを持ち,専門店・百貨店・ドラッグストアでの営業経験を経て,販売企画,美容教育,事業戦略立案に従事。
法政大学大学院でマーケティングを専門的に学び,コーセープロビジョン株式会社の代表取締役を経て,現在は株式会社コーセー執行役員としてDECORTÉ事業部を統括。

弓気田 みずほ 氏
伊勢丹新宿店で化粧品バイヤーを務め,ブランドの垣根を越えたカウンセリングサービス「ボーテ・コンシェルジュ」の立ち上げに携わる。
独立後は株式会社ユジェットを設立し,化粧品メーカーや商業施設へのコンサルティング,店舗開発,人材育成など,美容ビジネスの幅広い領域で活動。百貨店,ドラッグストア,通販など多様な顧客接点に精通し,生活者視点から美容とブランドの価値を伝える取り組みを続けている。

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今回の議論は,化粧品業界だけに関わるものではありません。
「日本で生まれた価値を海外市場へどのように伝えるか」
「グローバル化のなかで何を守り,何を市場に合わせるのか」
「異なる顧客接点を通じて,ブランドの本質をどう伝えるのか」
これらは,多くの日本企業に共通するグローバル・マーケティング上の課題です。

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