3月例会でご報告いただいた元野村総合研究所(現金沢工業大学・講師)の平本督太郎氏が翻訳した著書が8月24日に出版されます。
日本語版には特別章が設けられており,同分野におけるコンサルティング経験豊富な翻訳者が同著への導入および日本企業の萌芽的事例紹介のパートを執筆されておられます。
【内容紹介】Amazon.co.jpより
世界40億人の巨大市場,何が成否を分けるのか?
ビジネスモデル開発,組織設計からパートナーシップの組み方まで,各地の成功・失敗ケースを徹底分析。世界の第一人者の知見が詰まった実践ロードマップ。
<日本語版特別章>
「良品計画」,「会宝産業」,「フロムファーイースト」,日本企業の先進事例も収録!
人類のおよそ60パーセント,40億人をゆうに超える人々が,1日数ドルの収入で暮らしている。「ピラミッドの底辺(The Base of the Pyramid)」という言葉は2002年にスチュアート・L・ハートとC・K・プラハラードによって初めて生み出され,より効果的な貧困対策と数兆ドル規模の新市場に存在するビジネスチャンスの両方を指す代名詞となった。
本書では,フェルナンド・カサード・カニェーケとスチュアート・L・ハートがBoPグローバルネットワークのメンバーとともにこれまでの現実を掘り下げ,何が起きたかを客観的に分析した。そのうえで,初期のBoPビジネスの取り組みがなぜ成功しなかったのかを指摘し,どうすれば持続的な解決策を生み出してBoPビジネスを成功に導けるのか,実践的な方法を提案する。
【目次】英治出版HPより
日本語版 訳者まえがき
プロローグ―BoP3.0への道
序章 教訓をどう活かすか
Part 1 ビジョン・能力
第1章 いまこそビジョンと目的を見つめなおす
第2章 インクルーシブな市場をつくる新しい組織のあり方
Part 2 エンゲージメント・参加
第3章 新事業を生み出す参加型のマーケットリサーチ
第4章 開かれた参加型のプラットフォームとは何か
Part 3 エコシステム
第5章 資金調達の壁を超える
第6章 エコシステムをどうつくるか
Part 4 流通・市場アクセス
第7章 流通のラストマイル
第8章 能力を補完する共有チャネルモデル
Part 5 パートナーシップ
第9章 誰と組むのか
第10章 パートナーシップを促進する仕組みとは
Part 6 環境・持続可能性
第11章 自給率を高める都市農業の可能性
第12章 三つの飛躍(トリプルリープ)
日本語版特別章 日本におけるBoPビジネスの発展とBoP3.0の萌芽事例
原注・参考文献
【著者について】Amazon.co.jpより
[編著者]
フェルナンド・カサード・カニェーケ Fernando Casado Cañeque
開発のためのパートナーシップセンター(CAD)の創設者兼ディレクター,BoPグローバルネットワークのアソシエイト・ディレクター。持続可能な経済開発の専門家として,国連やプライスウォーターハウスクーパースでさまざまな開発プロジェクトに携わったのち,CADを創設。途上国におけるプロジェクト立案・実施や,啓発動画の制作,次世代リーダーの育成など多岐にわたる活動を行っている。
スチュアート・L・ハート Stuart L. Hart
持続可能な開発と環境保護に関するビジネス戦略研究の世界的権威。バーモント大学ビジネススクール教授,コーネル大学ジョンソン経営大学院名誉教授,持続可能な世界構築に向けたエンタープライズ創設者兼会長,BoPグローバルネットワーク創設者兼代表。
2002年にC・K・プラハラードと共同執筆した「The Fortune at the Bottom of the Pyramid(ピラミッドの底辺に潜む富)」は,企業が開発途上国の40億人の貧困層のニーズに応えながら利益を上げられることを初めて明らかにした。著書に『未来をつくる資本主義[増補改訂版]―世界の難問をビジネスは解決できるか』(英治出版,2012年),共著書に『BOPビジネス市場共創の戦略』(英治出版、2011年)がある。
[訳者]
平本督太郎 Tokutaro Hiramoto
一般社団法人BoPグローバルネットワーク・ジャパン代表理事。2016年3月まで野村総合研究所(NRI)にてコンサルティング業務に従事した。これまで日本企業数十社とBoPビジネス,アフリカビジネス等のフロンティア市場における事業創造,拡大に取り組んできた。2010年には経済産業省BOPビジネス支援センター(www.bop.go.jp)の立ち上げ・支援を行い,2010~2011年に同センターの運営プロジェクト(経済産業省から委託)のリーダーを務めた。2012年から同センターの運営協議会委員。現在は金沢工業大学でも教鞭をとっている。共著書に『BoPビジネス戦略』(東洋経済新報社,2010年),『アフリカ進出戦略ハンドブック』(東洋経済新報社,2015年)がある。